◎箸を取って「いただきます」。箸を置いて「ごちそうさま」。毎日の食事の起点と終点のための、普段使いの箸置きをご用意しました。
◎どこかで見たことがあるような、不思議な模様。これは、終止符や句読点、飾り罫線など、印刷で使われる「約物〈やくもの〉」という記述記号をモチーフにしたデザインです。印刷や活字に造詣が深いアーティスト、立花文穂が手がけました。プリントされた模様からは、手書きか活版印刷のような微妙な「揺れ」が浮かびます。
◎陶器に模様を入れる手法にはさまざまなものがありますが、そのひとつが「印判」。模様を和紙に呉須で写し、水に濡らした筆でそれを素焼きの生地に染めつけ、釉薬をかけて焼成するやり方です。
◎幕末や明治期には、この手法で青い柄の磁器が大量生産されましたが、手仕事ゆえに稀少なものになりかけていました。この箸置きでは、一点一点微妙に違う印判ならではのニュアンスを味わっていただくべく、細部まで工夫を凝らしました。
◎つややかな白い生地は、国産の陶石を使用した、波佐見焼。転写した模様の上にかけた釉薬の透明感が、美しさを一層引き立てています。
◎矢印が連なる「当的〈あたり〉」。終止符の集合体の「豆絞り」。波罫線を連ねた「青海波」。シンプルな一本線の、その名も「一本」など、絵柄は10種類。その日の気分に合わせて選び、楽しんでお使いください。
*寸法、容量、重量の数値は個体差があります。