◎急須で丁寧に淹れた煎茶はおいしい。けれど、番茶やほうじ茶を身近な器で気楽に楽しむ、日常のひとときもよいものです。そんなとき傍らに置きたい、素朴な表情の土瓶を作りました。
◎かつて琵琶湖の湖底であった三重県・伊賀地方の土は、良質な粘土質。耐火度が高く、やきものに適した特徴を備えています。その土を練り、熟練の職人がひとつひとつ成形し、同じく伊賀産の釉薬をかけて焼きあげました。
◎艶やかな黒飴釉の黒と、しっとりとした石灰釉の白。それぞれ、生まれながらに大地と手のぬくもりを伝えます。繊細な作りのため直火にはかけられませんが、そのぶん、保温に優れています。
◎使用前には、目止め作業が必要です。米のとぎ汁を入れた鍋に土瓶を入れ、10分ほど煮沸すると、表面の貫入(細かなヒビ)にデンプン質の膜ができ、汚れや匂いがつきにくくなります。
◎とくに石灰釉のものは、お茶のタンニンなどによって、表面に黒い模様が浮き出ることがあります。味わいのひとつですが、ご使用前に土瓶を水かぬるま湯に浸しておくことで、ある程度は防げます。
*寸法、容量、重量の数値は個体差があります。
*容量は、満水時の数値です。