◎長押。「なげし」という読み方を知る人も、だんだん少なくなるのかもしれません。これは、日本家屋で、鴨居の上に、柱と柱の間を繫ぐように取りつけられた木材のこと。もともとは柱を補強するための建材ですが、和室で暮らしたことのある人は、ここにハンガーをかけ、服や鞄を吊るしたことを思い出すはずです。
◎そんな長押にきちっとかけられる、丈夫なフックを作りました。素材は真鍮。銅と亜鉛の合金で、ご存知、五円玉のほか、日用品の材料として使われる、暮らしに身近な金属です。
適度な硬さがあり、加工しやすい真鍮には、腐食しにくく、扱いやすいという利点があります。◎長押のほか、衣桁〈いこう〉やハンガーラックなど、幅が合えばどこにでも使えます。S字型の両端が少し外側に反っているため、かけやすく、かつ、外しやすい構造。接触部にきちんと角があるため、ガタつきにくく安定感があります。
◎服を吊るしたハンガーをかける。ジャケットをそのままかける。あるいは、ベルトを吊るしたり、帽子やバッグをかけておいたり。
◎錆びにくい真鍮ですが、使用するうちに、くもりや色の深まりなど、独特の風合いが生まれます。家や家具の経年に合わせて変化する暮らしの小道具として、ご愛用ください。