◎麻布は、日本の歴史と深く結びついた植物性の布地。古代から人々は麻を育て、その繊維を織って、衣服をはじめ日常のさまざまな用途に使用しました。神社で祭祀に使われる幣〈ぬさ〉は、現在は白い紙ですが、もともとは麻布が使われており、神聖な素材として重宝されていたことがわかります。
◎大麻(おおあさ・繊維名ヘンプ)、苧麻(ちょま・同ラミー)、そして繊維名でリネンと呼ばれる亜麻。現在はこの亜麻を原料とする布が定着し、ベッドリネン、キッチンリネンという呼び名もすっかり定着しました。「麻布十四番」は、十四番手の麻糸を高密度で織り上げた、台所用の麻布。十番ではなく十四番、と覚えてください。
◎室町時代から麻織物の産地であった滋賀県湖東地域。澄んだ湧水と温暖な気候が、近江上布〈おうみじょうふ〉と讃えられる上質な布を育てました。麻布十四番の生みの親は、シャトル織機と呼ばれる伝統的な織機。専門の職人が、経糸に緯糸をかけながら織った布は、ふっくらと厚みがあり、水分をたっぷりと含みます。
◎50 センチ×70 センチの大判は、大皿や鍋を拭くのにも安心なサイズ。洗い加工をしていない生機〈きばた〉の状態で出荷するため、手に取ったときは堅く締まった状態です。お湯で洗い、干してからご使用ください。繰り返し洗って使うと毛羽立ちは収まり、柔らかさとしなやかさを増します。
*寸法、容量、重量の数値は個体差があります。