◎把手のない丸型の鍋を、ペンチのような形状の矢床〈やっとこ〉で掴んで取り扱うことから名づけられたとされる矢床鍋。プロの料理人たちにも愛用される、シンプルな台所道具です。
◎銅の一枚板を、へら絞りと呼ばれる金属加工の手法で熟練の職人が丁寧に成形。抜群の熱効率は、中心から上へ下へとすぼまった太鼓型のフォルムに秘密があります。この鍋でうどんなどの麺を茹でてみると、ほぼ吹きこぼれなし。絶妙にラウンドした縁の形状が、鍋の中に自然な対流を促します。
◎少人数の味噌汁を作ったり、ちょっとした茹でものをしたりするのにいい五寸。日々のおかずを作るのにぴったりの六寸は、とくに煮物で実力を発揮。銅鍋特有の、柔らかくまろやかな仕上がりが期待できます。そして、青菜を茹でる、カレーや豚汁をたっぷり作るときなどに重宝する七寸。3つを重ねて収納できるのも、うれしい特長です。
◎専用の矢床は、鍛鉄の本場新潟・燕三条産。鍋の縁をしっかり掴み、てこの原理で軽く持ち上げられるよう設計されています。握り方、力のかけ方に慣れさえすれば、自在に扱えます。
◎また、銅は経年変化が楽しめる素材。使って洗い、拭き上げるほどに艶と風合いが増していきます。内側には錫〈すず〉のめっきが施してあるため、金属製のへらや束子の使用はお控えを。焦げつきは、重曹を入れた湯でゆるめれば、スポンジできれいに落とせます。
*寸法、容量、重量の数値は個体差があります。
*容量は、満水時の数値です。