◎白く滑らかな磁器の小皿に浮かんだ、愛嬌あふれる絵柄。一体これは日本のもの? それとも外国製のもの? と一瞬、考え込んでしまう、和洋折衷の楽しいテーブルウェアを作りました。
◎「和洋折衷」の種明かしは、まず、皿本体が純国産品であること。江戸時代から名を馳せる磁器の名産地・九谷焼の窯で作られた小皿は、花坂陶石という、石川県小松市で採れる国産の石を原料に使用。皿の形状は、同じ九谷産の古い五寸皿を手本にしました。
◎そして、「洋」の理由は、中央にちょこんと捺された絵柄。これは、フランスの蚤の市で売られていたアンティークのゴムスタンプがもとになっています。その絵柄を、まず石膏型に起こし、焼成前の皿の中央に捺したあと、くぼんだ部分に青い顔料・呉須を流し入れ、釉薬をかけて焼き上げた「印手(=印を捺した絵柄)」なのです。
◎マラソン。サクランボ。イチゴ。「大当たり!」。風車。テディ。アンチョビ。木馬。ブドウ。小さな女の子。十種、いずれも愛らしい図柄は、家族の銘々皿として食卓に。また、人の集まるテーブルでも、笑顔を誘うことでしょう。
*寸法、容量、重量の数値は個体差があります。