◎かつて、京都は漆器の生産が盛んな地でした。貴族や武士階級に愛された、艶やかで優雅な漆器。残念ながら時代の変遷の中、他の産地の攻勢に押されて衰退し、現在はなかなか手に取ることが叶わなくなりましたが、その伝統と美を後世に伝えるべく、木地作りから塗りまでの工程すべてを京都市内で行った、純粋な京都の漆器を作りました。「烏丸〈からすま〉」の名は、工房近くの通りの名にちなんでいます。
◎京都の漆器の特徴は、まずその繊細さにあります。厚さ0.7ミリという極薄に挽いた国産の欅〈けやき〉の木地。それに内側13回、外側13回と、計26回の塗りを重ねて漆を吸わせ、強度と美しさをまとわせるのです。出来上がりの椀の厚みは、2.4ミリ。手でそっと押すと撓〈たわ〉むほどに薄くとも、しなやかです。
◎そして、優美さ。掌にしっくりと馴染む椀の腰の丸み。覆輪〈ふくりん・口縁の重ね〉の切れのよさ。シャープな高台。形状は、古い京都の漆器を参考にしつつ、新たにデザインしました。色は伝統的な「朱」のほか、「黒」、透明感が美しい「 溜〈ため〉」の三色があります。
◎もっとも大きな「一ノ椀」と「二ノ椀」「三ノ椀」の三つ組は、飯椀、汁椀、香の物用に使うのはもちろんのこと、二ノ椀を一ノ椀の蓋として、あるいは三ノ椀を二ノ椀の蓋として、日々の食事に合わせてお使いいただけます。
◎繊細な品につき、使用後は必ず手洗いを。ぬるま湯なら、洗剤を使わなくても汚れを落とせます。
*寸法、容量、重量の数値は、個体差があります。
*容量は、満水時の数値です。