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つかう。

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色々な人が東屋のモノを使っている現場の記録。

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小島真理子(「margo」シェフ) 「日々料理をして、器を育てる」

つかうもの・・・「Iga 九寸皿」

直径約28センチの少し大きな平皿。
一人ずつ、センター、気軽にワンプレート、と八面六臂。
色は、石灰、志野、黒飴、織部、黄瀬戸の5種。

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「日々料理をして、器を育てる」
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好きなのは、色気のある器

料理をつくることは小学生の頃から好きで、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を読んで「ミンスパイ」に憧れたり、ベッドサイドにはいつもレシピ本を置いているような子どもでした。ある時から、母が父の身体を気遣って添加物を避けた食事をつくるようになったんです。当時は茶色っぽくて地味な食卓……と思ったりもしましたが、今思うと、そういう母の家庭料理の影響も深く受けている気がします。

高校卒業後はアメリカのオレゴン州に留学しました。暮らしたのは、アメリカのヒッピー文化が根付く「Eugene(ユージーン)」という街。ワイナリーやブルワリー、ベジタリアン向けのレストランやオーガニック食材を扱う店が沢山ありました。今、自分の店で出している自家製の「サワードーブレッド」の種は、当時通っていた大学の教授のお宅に遊びに行った時に、奥さまがパンケーキを焼く100年もののパン種を分けてくださったものなんです。オレゴンは当時からサステナブルな生活が自然なかたちで根付いていて、そこで暮らした日々が自分の料理だけでなくその後の生き方にも繋がっているように思います。

帰国して数年間は会社勤めをしつつ、同僚や友人に自分の料理をふるまう時間が楽しみのひとつでした。2004年に「margo」をはじめたのは、友人たちに「好きなことをしたら?」と背中を押されたことがきっかけです。

とても小さな構えの店ですが、顔が見える人たちのために料理ができるのは幸せなこと。ここまで続けてこられたのは、お客さまやナチュラルワイン好きの方たちとの縁に恵まれたからだと思っています。食いしん坊なせいか、旅先で出合った料理も自分の料理を食べてくれた人たちの顔も、“味” に結びついた記憶は不思議と脳に刻まれて残るんです。

ご縁があってデザイナーの猿山修さんが店に来てくださるようになり、器のことを沢山教えてもらいました。私は、使うほどに深みが出てくる器が好き。そうなるかどうかは、実際に使ってみないとわからないですよね。猿山さんが教えてくれた萩の濱中史朗さんの器も最初はどこかクールな印象だったのに、使っていくうちにどんどん育っていって。堅牢だけど、優しく温かい。そんな色気のある器が好きですね。

猿山さんがデザインした「Iga 九寸皿」は、最近使い始めたばかり。赤や緑などビビッドな色が映える「黒飴」には、ビーツのフムスを余白が生きる盛り付けで。サイズが九寸と大きめなので、「志野」に盛ったポークソテーのように、メインに野菜を付けあわせる使い方もできますね。今日はカルパッチョを盛りつけてみましたが、柔らかな「石灰」の肌色は肉料理にも合いそうです。使い続けて仲良くなった頃、この器がどんな表情をしているのか……。とても楽しみです。

「日々料理をして、器を育てる」

Iga 九寸皿」は石灰、志野、黒飴、織部、黄瀬戸の全5種の釉薬からなる。「石灰」に合わせたのは、
五島列島から届いたばかりの神経締めのハガツオ。「身がしっとりしていて美味しい魚です」。
身の淡い色と薬味の緑が、ほんのり青みがかった器の肌に映える。

Iga 九寸皿」は石灰、志野、黒飴、織部、黄瀬戸の全5種の釉薬からなる。「石灰」に合わせたのは、五島列島から届いたばかりの神経締めのハガツオ。「身がしっとりしていて美味しい魚です」。身の淡い色と薬味の緑が、ほんのり青みがかった器の肌に映える。

白身魚の韓国風カルパッチョ

〈材料〉2人分

新鮮な刺身用の魚(今回はハガツオを使用)……適量、韓国風ソース(醤油・ゴマ油・にんにくすりおろし・長ねぎみじん切り・すりごまを混ぜる)……適量、エゴマの葉(せん切り)……適量、穂紫蘇の実などをお好みで

〈作り方〉

①韓国風ソースの材料を混ぜ合わせておく。 ②刺身用の魚は、サクならスライスして器に盛る。 ③魚の上に①のソースを適量かけ、エゴマの葉と穂紫蘇の実をのせて出来上がり。
※魚は赤身でも白身でも好みで。淡泊な白身魚なら、ソースの量を控えめにするか、水でのばしてもいい。
※韓国風ソースの材料は、すべて適量。醬油の濃さや味によって、好みでみりんを加えても。ソースは肉にもご飯にも合うので、つくっておくと重宝する。

Profile

小島真理子 / Mariko Kojima

東京・祐天寺の「margo」シェフ。幼い頃から料理に親しみ、大学卒業後数年間の会社務めを経て、2004年に自身の店「margo」をオープン。家庭料理をベースした旬の食材をシンプルに味わえる料理と、厳選のナチュラルワインを提供する。

margo

住所:東京都東京都目黒区祐天寺1-21-16
営業時間:18:00~23:00
定休日:火曜、不定休
Instagram:
https://www.instagram.com/margo_wineshokudo/

日付=2025・10・9
写真=馬場わかな
文=成合明子
編集=落合真林子

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